滝本竜彦 新作小説『ライトノベル〜光の小説〜(仮)』ゲラ直し作業開始!

本日、滝本竜彦の新作小説『ライトノベル〜光の小説〜(仮)』のゲラが角川書店より送られてきました!!

いい本になりそうです!

担当編集者さん&校正さんに感謝です!

明日からスタバでゲラに赤ペン入れるぞー。

ちなみにゲラというのは、私が書いた小説の本文を印刷したものに対して、プロの校正者さんが、ここはおかしいのではとか、ここの漢字表記が他の部分と違うとか、細かいチェックを入れてくれたものです。

そのチェックに対して、著者が赤ペンで、ここはこうするとか、ここはこういう表現に変えるなどの指示を入れて送り返します。

さらにその指示が反映されたゲラのバージョン2、再校というものがしばらくして送られてきて、それにまた著者からの指示を書いて送り返し……という作業を経て、本ができあがっていきます。

楽しみですね!

舞台『いと恋めやも』観劇して感激!

劇団クロジの松崎亜希子さんに、舞台『いと恋めやも』に招待していただきました! 素晴らしい最高の劇でした!

松崎亜希子さんについて

松崎亜希子さんはアニメ『NHKにようこそ!』に出演してくださった声優さんで、クロジという劇団の主催者でもあります。

アニメ『NHKにようこそ!』十一周年記念同窓会というイベントで、私は松崎亜希子さんにお会いしたのですが、そのご縁でクロジの最新舞台『いと恋めやも』にご招待していただいたというわけです!

ということで8月22日の公演初日に、全労済ホール、スペース・ゼロにてクロジ第17回公演『いと恋めやも』を観劇してきました! 感激しました!

クロジについて

クロジホームページより引用。

2004年より活動を開始。

福圓美里・松崎亜希子が主宰する演劇プロデュース団体。2006年以降、森悠が主要な作家となる。近年では、年に一度のペース、東京の劇場で公演を行う。

作品は、華やかな舞台設定で観客の目を楽しませつつも、そこに正直な人間の姿を、時に痛々しく、時に滑稽に描き出す。

発足から数年は、関係性の拗れによる人間心理の生々しさを女性視点で切り取り、特に女性客の共感を集めた。

10周年を過ぎる頃から、クロジのテーマ・メッセージはそのままに、作品をより幅広い世代へ届くエンターティメントとして昇華させることを目指している。

『華やかな舞台設定』というのが、本当に華やかですごかったです。『人間心理の生々しさ』とか、『幅広い世代に届くエンターティイメント』などなど、まさにその通りで驚きました!

舞台『いと恋めやも』感想

舞台が凄い綺麗

幕が上がるとまず驚いたのが舞台の美しさでした。桜に覆われた大正時代の洋館が舞台なのですが、CG的な、超現実的な美しさがありました。これが目が喜ぶということか! 見てるだけで気持ちよくなってきます。

その舞台の上で動くキャラたちの衣装も色鮮やかで、素晴らしかったです。彼、彼女らが舞台の上でダイナミックに動く姿には、映画やゲームなど、他の映像コンテンツでは味わえない、舞台ならではの実在感ある美しさがありました。

観劇してからもう結構な時間が経つのですが、どのキャラもどのシーンもくっきりと思い出せそうな、長く残る映像的なインパクトがありました。

たぶん泣く気がする→泣く

冒頭の雰囲気で「あ、これは凄いやつだ。きっと泣かされる」という予感がありました。で、結局、舞台の後半、予想通り私は感動で泣くわけですが、思ったより遥かに強い感動のウェーブに襲われ、号泣の様相を呈してしまいました。

どのぐらいの強い泣きかというと、わかりにくい例えかもしれませんが、私史上、それを見てもっとも泣いたコンテンツである『加奈〜いもうと〜』というパソコンゲームに匹敵する量の涙を流してしまいました。これは凄いことです。私だけでなく、終盤、客席では涙をすする音がずっと響いていました。

ギャグセンス

強烈に泣かせるストーリーもすごかったですが、ギャグセンスも最高でした。舞台の幕が上がってからずっと客席では笑い声がノンストップで上がっていました。私も何度も声を出して笑ってしまいました。

いやーおもしろかったー!

キャラの魅力、ストーリーの面白さ

大勢の登場人物が全員、血肉の通った存在として感じられ、すぐに皆のことを好きになってしまいました。本当にみんないいキャラで、抱えている悩みも現代的で、大いに共感を持って彼らの生き方を味わうことができました。

冒頭、登場人物たちの間にはギスギスした冷たい空気が流れているのですが、それが主人公の働きかけによって少しずつ暖まっていき、ハートフルな雰囲気が流れ始める過程には、ずっと観ていたくなる気持ちよさがありました。

そのハートフルな雰囲気が高まったところで、登場人物たちの抱えている闇が表に現れ、話は急激に暗く悲惨な方向性に流れていきます。

そのひとつのきっかけとして牧野由依さん演じる『春日香』が食べられてしまうシーンがあるのですが、その演技はもう直視できない、耳をふさぎたくなるような凄絶なものでした。

で、そのシーン以降、舞台の上にはノンストップで暗さ、悲惨さが溢れ出してきます。ですが、その悲惨で暗い中で、愛が眩しく輝き始めるのが見えてくる舞台でした。

そこに表現されている愛はものすごい力強いものでした。もう舞台を見終わって何日も経ちますが、その強く優しい愛の印象は、舞台の美しさや、登場人物たちが交わしていた楽しい会話のひとときと共に、くっきりと心の中に思い出せます。

あ、あかん、思い出すとまた泣きそうになってくる。。。

というわけで私の心に大きなインパクトを残した舞台観劇でした。

凄いエネルギーのある舞台で、なかなか内容を消化できず、、、ていうかこれは消化するのは無理だろうと諦め、断片的ではありますが、観劇の感想を書かせていただきました。

こんな素晴らしい舞台を観ることができて本当に嬉しくありがたいです! どうもありがとうございました!

大盛況!満員御礼!佐藤友哉さん新刊『転生! 太宰治 生まれて、すみません』トークライブ

昨夜、阿佐ヶ谷LOFTで、佐藤友哉さん新刊『転生!太宰治 転生して、すみません』発売直前トークライブが行われました。私もゲストとして出席させていただきました。

立ち見の出る大盛況の中、終始ハッピー&ピースフル&いい感じなワクワク感が出ていた素敵なトークライブでした。

ここから転生太宰ムーブメントが始まる予感。。。!

ゼロ年代セカンドウェーブが到来しつつあるのもひしひしと感じられました!

阿佐ヶ谷という思い出深い街で、太田克史さん、佐藤友哉さん、渡辺浩弐さんと、ご来客の皆さんと、くつろいだ雰囲気の中、楽しい時間を過ごせました。

皆さんありがとうございました!

阿佐ヶ谷LOFT楽屋にて、緊張しつつ出番を待つ私。壁の『ザ・モモタロウ』に励まされる。

『転生! 太宰治 転生して、すみません』予約・購入はこちらから↓

大感謝! 『NHKにようこそ!』またまた増刷! “Welcome to the NHK!” Japanese edition got new reprint again!

なんと8月10日に第16版が発行されました。

今、『NHKにようこそ! 』が売れてます!

ヘロヘロになっている作者あとがきが泣ける!

コミック版のリバイバル連載はこちら

星海社FICTIONS『転生! 太宰治 転生して、すみません』刊行直前 佐藤友哉トークライブにゲスト出演します!

 小説家、佐藤友哉さんの9月に刊行される新刊『転生!太宰治 転生して、すみません』の刊行記念トークイベントに、私、滝本竜彦がゲストとして出演します!

星海社FICTIONS『転生! 太宰治 転生して、すみません』 刊行直前 佐藤友哉トークライブ

場所 阿佐ヶ谷LOFT

日時   8月23日(木)

OPEN 18:30 / START 19:30

前売¥2,500 / 当日¥3,000(共に飲食代別)
前売チケットは8/1(水)12時〜発売開始!

【出演】
佐藤友哉
【ゲスト】
滝本竜彦(小説家)
【司会進行】
太田克史(星海社)

詳しくはこちら↓をごらんください。
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/95282(阿佐ヶ谷LOFTホームページ)

ところで阿佐ヶ谷と言えば、十年以上も前に私が住んでいた街です。

ファウストvol.1の刊行記念パーティで仲良くなった佐藤さんめろんさんが阿佐ヶ谷に住んでいたので、私も川崎から阿佐ヶ谷に引っ越したのです。

夕暮れ時、阿佐ヶ谷LOFTのある商店街をよくぶらぶらしていたのを思い出します。

そんな思い出深い街で佐藤さんのめでたい刊行記念トークイベントに出演できるのは嬉しさマックスです!!

楽しいイベントになりそうです。ぜひ皆さん、遊びに来てくださいね。


転生! 太宰治 転生して、すみません』について

そうそう、肝心の佐藤さんの新刊『転生! 太宰治 転生して、すみません』ですが、ゲスト出演者の特典として刊行前のゲラを読ませていただきました。

偉人の現代転生ものが持つ面白さをこれでもかと味わえる最高のエンタメ小説でした。

現代に太宰が転生』という、それだけでもう面白いのですが、その想像を遥かに超えた面白さを味わえました。それとともに、太宰治と現代日本社会について、あるいは『己の中の太宰治的性質をいかにして克服すればいいのか?』という現代人が普遍的に抱える問題について、かつてない新たな洞察を得ることができました。

そして読後には、自分の中の太宰治像が最新版にアップデートされ、力強く蘇ったのを感じました。

刊行前ということで詳しい内容には触れることはできませんが、素晴らしい力作、傑作でした。読めてよかったです。ありがとう佐藤さん!

太宰さんの墓前に手を合わせる佐藤さん

小説『NHKにようこそ!』またまた増刷! “Welcome to the NHK!” got reprinted again and again!

漫画版『NHKにようこそ!』はリバイバル連載され、原作者の滝本はアニメの山本監督たちと長野の山奥にバーベーキューに出かけ、小説版『NHKにようこそ!』にはまたまた増刷がかかった今日このごろ、皆さまいかがおすごしでしょうか?

これまで『NHKにようこそ!』について、地球のあらゆる地域の、さまざまな人種、年齢、性別の読者の皆さんから沢山の感想のメッセージをいただいてきました。

この物語を観て、読んで、『こんな風に生き、こんなことを考え、感じているのは自分だけではなかった』と知り、それによって孤独感が薄らぎ、自分の人生にプラスの変化を得たというメッセージを、世界中の多くの方が私に送ってくれました。

そんな風に、この物語が皆さんのお役に立てたのは本当にありがたく嬉しいことです。

これからも、この物語がいろいろな形で、多くの人々のお役に立っていくことを願っています!

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『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』増刷!

ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂば滝本竜彦の処女作です。二百パーセントの全力で書いた記憶が昨日のことのように思い出せます。

市原隼人さん、関めぐみさん、浅利陽介さん、三浦春馬さん、野波麻帆さん、板尾創路さんという凄いキャストで実写映画化もされました。

映画を観返すたびに、作品に詰まっている青春のキラキラ感や魂の燃焼感に、胸が熱くなります。

山本、能登、渡辺が演奏する『根性なし』という作中歌や、Greeeenが歌う主題歌の『Be Free』を聴くたびに気持ちが高揚します。

素晴らしい最高の作品を作っていただいた映画スタッフと俳優のみなさんに心から感謝します。ありがとうございました。

2001年に初版が出版されたので、17年前の作品ということになるわけですが、いまだに読まれ続けていることに驚きと嬉しさで一杯です。

読者のみなさん、本当にありがとうございました。みなさんのおかげで僕の人生があります。

YUI MAKINO CONCERRT LIVE 『WILL you Play with me?』最高でした!

6月9日、私は牧野由衣さんのライブを観に渋谷に行きました。

ライブ当日、私は朝から夕方までテレビ関係の仕事があり、渋谷に着いたのは開演二十分前でした。

渋谷の坂道を駆け上がると、前方に立派なイベントホールが見えてきました。今日のライブの会場である、アイア2.5シアターです。

自席に着くと隣の席にアニメ『NHKにようこそ!』の山本祐介監督がいました。スモークが立ちこめる会場で山本監督と世間話しながら開演を待ちます。

牧野由衣さんは多くのアニメに出演している有名声優です。私が原作のアニメ『NHKにようこそ!』のヒロイン、中原岬の声もしてくださっています。また長年、音楽活動を続けて高い評価を受けているアーティストでもあります。そのどちらの側面についてもファンである私としては、これからどんなライブが始まるのか、ワクワクがとまりません。

ワクワク感はステージに牧野さんが現れ、夢を追いかける人への応援ソング『song for you』を歌い始めたところから、ライブの最後まで高まり続けました。(数日が経過した今もまだ、ライブのワクワク感が残っています)

What A Beautiful World

ライブの中盤、『What A Beautiful World』のピアノ弾き語りがありました。ただでさえ超絶名曲であるものが、牧野さんの生演奏によって昇天感がましましになっており、意識がもうろうとするレベルの深い感動を味わいました。

その後、ピアニストしても活躍されている牧野さんと、ご友人のピアニストによるピアノ連弾が行われました。お二人の息のあったラフマニノフのピアノ協奏曲は未来的な響きがあり、ピアノが先進的な未来の楽器に感じられました。その一方で、ここでクラシック音楽が奏でられたことにより、このライブに過去と未来がぎゅっと詰め込まれたような、時間を超えたフィーリングが生じるのを感じました。

もどかしい世界の上で

この日のライブではアニメ『NHKにようこそ!』の後期エンディングテーマである、『もどかしい世界の上で』が歌われました。

原作者であるということを差し置いても『NHKにようこそ!』は素晴らしいアニメで、観るたびにひとつの大きな旅をするような発見と感動があります。

そのエンディングテーマ『もどかしい世界の上で』には、未知な世界、未知な他人を前にして、恐れながらも自分の心を開こうとする瞬間のためらいとときめきが、美しくパッケージングされています。その繊細な決意を励ますかのような生演奏のギターソロが、力強く会場に響いていました。

ダンサー&EDM

後半、肉感的な魅力を発する二人のダンサーがステージに現れ、最新のEDMと共に、観客に起立&手拍子を要求しました。これ以降、ライブはスタンディングパートとなり、最後の曲のハウリングまで、会場の一体感は高まり続けました。

牧野さんの声には天国的な気持ちよさがあり、一方でダンサーのダンスには肉体的な魅力があり、その両者のパフォーマンスによって、このライブにおける精神性と物質性のバランスが高いレベルで両立されたように感じました。

クラシックとEDM、水晶のような歌声と肉感的なダンス、そういった相反するものが一つのライブの中でハーモニーを奏で、未知の感動を強く生み出していました。

ライブの最終曲、ハウリングの中では、その未知の感動が客席の皆に、そして世界に広がっていくようでした。

作り上げたこの共鳴を

少しずつ大きくしていこう

確かな想いは

世界を強く揺らす

日常生活の中に埋没するとき、こういう崇高な気持ちは忘れてしまいがちなものです。ですが、そんなときも、この日のライブのことを思い出せば、またすぐ前向きな気持ちに戻れそうです。

自分でも何かを表現したくなるパワーが観客の私にもチャージされるような、素晴らしい最高のライブでした。

ありがとうございました。

富良野ラベンダーティー

ライブのあと、本ライブのスポンサーであるポッカサッポロの富良野ラベンダーティーが来場者に配られました。飲むとほっとするラベンダーの香りが素敵なお茶でした。

ポッカサッポロの富良野ラベンダーティー、Amazonに注文して飲みまくりたいと思います。

Cosmic Autumn Festival

とある冬の夜のこと。

海猫沢めろんさんにアナログゲーム大会に誘われた私は、会場であるめろんさん宅に向かった。

めろんさん宅は真っ暗で誰もいなかった。しばらくして外から帰ってきたきためろんさんは「間違えた。ゲーム大会は明日だった。今日はこれから高田馬場に行く」と言った。

小説家でありYouTuberであるめろんさんは、RAMCLEARというゲーム創作集団でアナログゲームも作っている。

めろんさんとRAMCLEARのもう一人のメンバーであるツムキ・キョウ氏は、RAMCLEARの新作アナログゲーム『ヘルトウクン』の宣伝に関する打ち合わせのため、これから高田馬場のゲームセンター・ミカドに行くとのことだった。なんとなく私も同行することになった。まもなく高田馬場に着いた。

RAMCLEARの二人を追ってゲームセンターのスタッフルームに入ると、中にはミカドの代表の方と、大塚ギチさんがいた。私は驚いた。

大塚ギチさんと言えば舞台化もされた伝説的ゲーム文学、TOKYOHEADの著者であり、私の初期作品のデザインをしてくださったデザイナーである。
ともすれば暗い重いオーラを発しがちな私の作品に、ポップなメジャー感が付与されたのはギチさんのデザインのおかげである。

ギチさんとお会いするのはずいぶん久しぶりだったが、前に見たときと同じようにおしゃれでかっこよかった。

その夜の帰り道、高田馬場の改札前で私は高石宏輔さんと出会った。高石さんと面識のあっためろんさんが、偶然に通りかかった彼を見つけて声をかけたのである。

高石さんは「声をかける」という、コミュニケーションをテーマにした本の著者である。その本には彼の経験が格調高い精緻な筆致で描かれている。それは暗い深海の底に耐圧カメラが降りていき、通常では見ることのできない闇の奥をくっきりと映し出し、読者の眼前に届けてくれるような本である。高石さんとお会いするのは初めてだったが、彼のことは前々から風の噂に聞いていて、問題意識の持ち方やそれに関するアプローチの方法などに、そこはかとない親近感を感じていた。またミカドのスタッフルームでも、高石さんの名前が皆の会話の中に出てきたばかりであった。

謎のシンクロニシティが生じつつあるのを感じた私は、その流れに乗ろうとして電車の中で高石さんをゲーム大会に誘った。翌日、めろんさん宅で行われたゲーム大会で私は高石さんや他の大勢の参加者たちと、ゲーム『ヘルトウクン』で対戦した。

その大会で私は優勝し、記念品としてヘルトウクンをゲットした。

数週間後、めろんさんと高石さんと私は、渋谷のDOMMUNEでコミュニケーションに関するトークライブをしていた。

私はその放送中、最近作っている自作の音楽、その中でも特に気に入っている、『Cosmic Autumn Festival(邦題:銀河の秋祭り)』という曲を、トークの合間にかけた。DOMMUNEの素晴らしい再生設備から響く解像度の高いキックの周波数が私の心と体を震わせた。

この曲は、とある山村のお祭り広場に宇宙船が降りてきて、地元民と宇宙人が皆でパーティをするというコンセプトのダンスミュージックである。

DOMMUNEは大好きな音楽家である小室哲哉氏がライブをした空間であり、多くの先進的なミュージシャンやDJが日々、最高の音楽をプレイしている場だ。そこで自作のダンスミュージックを再生できた私は、『クラブ的な場で自作曲をかける』というつい先日願ったばかりの夢が速やかに叶ったことを知った。

大勢のリスナーの前で、自作の音楽をかけつつ、コミュニケーションについてのトークを行った。トークの合間には高石さんの催眠セッションが行われ、そのあとで私も誘導瞑想セッションを行った。(瞑想は私が新作小説を書くために身に着けたスキルのひとつである。それに関するコンテンツは今後もこちらのホームページにアップしていくつもりである)

嬉しいことやわくわくすることが凝縮された、夢のような一連の流れであった。この意味深い夢のような新鮮な感覚を、小説を通して表現していきたい。

電遊奇譚がコズミック怖面白い

モンゴル料理店で安倍吉俊さんのイラストを観る

御徒町で海猫沢めろんさんと多彩な羊肉料理を食べたという話を前々回の記事で書きました。

そのモンゴル料理店での食事会には、めろんさんの他にも作家さんや、角川で私の担当をしてくださっている編集者さんがいました。

その席で私は謎の羊肉料理を食べながら、つい最近、初めて観て大好きになった「けいおん!」の話や、平沢唯さんに憧れて自分もギターを買ったという話をしました。

また、本文に関する作業をほぼ終えた私の新作長編小説のイラストやデザインについて、斜め前に座っている担当編集者さんに自分のアイデアを伝えたりもしました。

私の正面で謎の羊肉料理を食べている作家さんは本を出版したばかりとのことで、しかも各方面で話題とのことでした。縁起のいい出版エネルギーがその席に満ちているのを感じました。

その作家さんは藤田祥平さんという方で、めろんさんとは前から友達のようです。かつてめろんさんが藤田さんのことを「すごい才能の持ち主。ソシャゲーで例えればSRクラス」と評していたのを私は思い出しました。

出版したばかりの藤田さんの新刊はその席にいた私以外の全員が読んでいるようで、話題に取り残されるのを恐れた私はテーブルの下でiPhoneでその作品を検索しました。

すると画面に出てきたのがこちらの本になります。

なんだか凄く引き込まれる表紙。

本屋に置かれているのを見たら、きっと気になって手にとりたくなります。

ていうか、あれ? この絵は……?

かつてどこかで観たことがある懐かしい景色の中に意識が吸い込まれるような、精神の集合無意識的な部分を刺激されて気分が朦朧としてくるような、それでいて謎めいた女の子と強く視線が合って緊張感を覚えるこの絵はもしかして……。

めろんさんに聞いてみるとやはりその絵は、ほとんどの滝本作品の表紙イラストを描いてくださっている安倍吉俊さんの手によるものでした。

いいなーこの絵。観ているとイマジネーションが羽ばたき、創作意欲が湧いてきます。

藤田祥平さんについて

安倍さん繋がりで藤田さんに親近感を覚えた私は、藤田さんの生い立ちやこれまでの人生についていろいろお話を伺いました。

藤田さんはウルフェンシュタインというFPSゲームの世界大会に出るために高校を辞めたという経歴の持ち主でした。好きなもの、つまりゲームにかける非人間的なレベルの情熱がお話の端々から伝わってきて、めろんさんが言っていた「SRクラス」という意味がおぼろげに感じられました。ぜひまたお会いして何か面白いお話を聞かせてほしいです。

あと驚くべきことに藤田さんはなんと私の「NHKにようこそ!」を大学生だった頃に読んでくださっていたそうです。

「当時、NHKを読んで、自分の中の何かが解毒されたような気がしました」という嬉しい感想までいただきました。

私が自分の新作の話をすると、「面白そう! ぜひ読みたい!」と言ってくださいました。ありがとうございます!

というわけで、安倍さん繋がりでもあり、めろんさん繋がりでもあり、しかも「NHKにようこそ!」繋がりでもあり、ゲーム好きという点においても繋がりを感じる藤田祥平さんの本はなんとしても買わねばならない。そう決意した私は翌日、川崎駅のリニューアルされた駅ビルの書店でさっそく電遊奇譚を購入、そして本屋さんに併設されているカフェでゆったり読みふけりました。

電遊奇譚

その内容はというと、ゲームに関するエッセイ集ということになるのですが、各章に書かれた藤田さんの実体験のどれもが、それぞれひとつの宇宙を形成しそうなぐらい濃密で、異様なトリップ感のある本でした。

自分は川崎の最新おしゃれカフェでこの本を読んだわけですが、意識だけが本の中の、だいたいにおいて戦闘中の殺伐としたゲーム世界に引き込まれるような読書体験を得ました。

全体的な雰囲気のイメージとしては、何か超巨大なコンピューターがあって、その中にさまざまなゲーム世界を作るプログラムが無数に同時並行的に走っていて、意識がいずれかのプログラムに没入するたびに、眼前に新たな法則を持った世界が立ち現れるような感じです。

各章がそれぞれ別個の世界で、それぞれの世界は微妙にリンクしながらも、特有の深みを持っていて、その深みを極めようとするとどこまでも無限に深い穴の底にまで潜っていくことができるような、そんな深淵を感じさせる話がいくつも並んでいます。

それを読み進む度にふと宇宙の秘密に気づくような洞察を得たり、読者としての自分の足元が抜けて、真っ暗な宇宙の真空に投げ出されるようなコズミック・ホラー感を味わったりしました。

あるいは自分が超巨大コンピューターの中を走る一筋のプログラムになったような自我の不安感を得たり、あるいは暗くザラついた、おそらくプログラムで構成されている無機質な宇宙の中をあてもなくさまようひとつの孤独な意識になった気分になったりしました。

そして最終的には、この今の自分の体験も、もしかしたらひとつのVRゲームなのかもしれないとさえ感じられてきました。

この現実とは、多次元的な世界の中を意識が無限に旅する途中の一場面に過ぎないのかもしれないと感じられてきました。当然、そんなことを考えるとちょっと怖くなります。

ですが作品の中を通底して響いている、そして最後の方で特に熱く響いている作者の声のようなものがあり、それがなんといいますか、生命力を感じさせるもので、ほっとしました。それは、意識の前に現れるどんな世界であっても攻略してやるぞというような強い人間的な意思を感じさせるもので、それに触れるたびに、読者としてほっと安心感を得ることができました。

おそらくこのあと、VR技術、MR技術、AI技術、そういったものの発展によって、どんどんこの現実は、ひとつのゲーム体験から次ののゲーム体験への連続といったものに変わっていくと思います。

考えてみれば、これまででさえも、私の人生の時間の半分以上は、ゲームやアニメやマンガや小説や、つまり三次元的物理体験以外の、仮想的体験の中で送られてきました。今後ますますその傾向は増え、私だけでなく全人類的に仮想的体験の比重が増えていくのではないかと思います。

そのとき、三次元的現実の重みや中心性が失われ、無数の仮想体験がそれぞれひとつの自立した現実として立ち現れてくるであろう、その無限の世界の中で、どう人生と向き合うか、どう正気を維持するか、そしてどうその体験を楽しんで、自分を成長させていくかについて、多くの貴重な洞察が得られる、そんな本でした。

また、いままで沢山ゲームをやってきて、ものすごい量の時間を仮想体験に費やしてきた私ですが、本書の読後、そんな自分を肯定できそうな気がしてきました。

そして、これからの未来、技術の発展とそれに伴う人間の意識の進化に対して、期待とワクワク感をもっとたくさん感じられるようになりました。

電遊奇譚、ゲーム好き人間の全員にお勧めの力作です。


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