注目

5月12日発売! コミック『異世界ナンパ』

あのKADOKAWAが運営する巨大小説コンテスト、第5回カクヨムWeb小説コンテスト受賞作品

日本最大級の月刊PVを誇る小学館の漫画アプリ、マンガワンにてコミカライズ好評連載中

あの歴史的ベストセラー『NHKにようこそ!』の滝本竜彦、入魂の最新長編

『異世界ナンパ 〜無職ひきこもりのオレがスキルを駆使して猫人間や新宇宙ドラゴンに声をかけてみました声をかけてみました〜』

待望のコミック1巻が、5月12日、ついに発売になります。

 

 

全国書店様とAmazon等ネット書店にて5月12日から発売開始です。(Amazonにてご予約していただくことも可能です)

オレのナンパが世界を救う!? 

これは新時代のナンパ教科書だ!

そんなキャッチコピーの1巻、内容としてはまさにこのキャッチコピー通りです。

人間、長く生きていると自然に世界が閉じがちです。そんな閉塞していく自分の世界の壁を壊すためには、他者との軽いフリーダムなコミュニケーション、すなわちナンパが必要です。

またこの現代社会はネットやスマホによって、人と人との自然なコミュニケーションが管理されつつあります。結果、1984のようなディストピアへと向かうかもしれないこの世界を救うには、やはり我々個々人が強いナンパ力を養うことが最も大事なことです。

そのための実践的なスキルは漫画の中にたくさん描かれており、お読みになった方は即座にそのスキルを習得して使うことができるようになっています。

そういったわけで異世界ナンパをこの世界に生きる全ての老若男女に強くおすすめさせていただきます!

『異世界ナンパ 〜無職ひきこもりのオレがスキルを駆使して猫人間や新宇宙ドラゴンに声をかけてみました声をかけてみました〜』

ご予約・ご購入はこちらから!

 

『異世界ナンパ』コミック化! マンガワンにて新連載のお知らせ

昨年末から私、滝本竜彦は、小説家になろうカクヨムに、本格長編ファンタジー小説を連載してきました。

その作品『異世界ナンパ 〜無職ひきこもりのオレがスキルを駆使して猫人間や深宇宙ドラゴンに声をかけてみました〜』が、なんとコミカライズされ、来年1月10日からマンガワン様にて連載されます。

構成のみやけりくさん、作画の久水あるたさん、そして原作の私、滝本竜彦という三人タッグによる強力な新連載です。

私の原作がみやけさんの手によって、読みやすくそれでいて中身の詰まったエキサイティングな漫画に再構成されています。

さらに久水さんの手によって女性キャラ各員と世界全体が魅力的に表現され(下図参照)、新たな価値を持ったコミック版『異世界ナンパ』として創造されています。

めちゃめちゃかわいく面白く、本当の冒険に心がドキドキワクワクする……そんな漫画です。

ちなみにマンガワンでは12月30日から「オモシロさ牛!牛!づめ!! 年越し新連載9連発!」というイベントで新連載を9連発するのですが、異世界ナンパもそのうちの1作です。

他の新連載もどれも面白そうなので、ぜひチェックしてみてください。ライフも貯まります。

(牛牛キャンペーンについて詳しくはこちらのコミックナタリーの記事をご覧ください)

それにしても……長年iPhoneに入れて、いまも毎日漫画を読むのに使っているアプリに、自分が原作の漫画が載るとは嬉しい限りです。

来年はいい年になりそう!

というわけで、この年末年始、ぜひぜひマンガワン&異世界ナンパをお楽しみください! そして皆様、良いお年をお迎えください!!


関連リンク

マンガワン

異世界ナンパ小説版 小説家になろう  カクヨム

12月19日、四谷アウトブレイクにてエリーツライブ開催!

19日に、私がボーカル・キーボードを担当するロックバンド、エリーツのライブがあります。

今年6月に本屋B&B様にてエリーツの皆でトーク&音楽ライブをしたのですが、その際はオンラインオンリーのイベントでした。

今回は本物のライブハウスでの、初めての生ライブです!

私のライト・ノベル出版後の活動のいわば集大成となるイベントです。ぜひ来ていただけると嬉しいです。

内容:

  • 瞑想家滝本竜彦によるオープニング瞑想
    • クリスマスとお正月、そして2021年全体のエネルギーをアップデートし幸運をもたらす誘導瞑想をします。
  • エリーツ渾身の歌と演奏とラップ
    • 素晴らしいオリジナルソングの数々をお届けします。
  • クリエイティビティをブーストするトークライブ
    • メンバー全員が創作関係の活動をしているということで、創造力向上をテーマとしたトークをします。
  • メンバーのサイン本やレアアイテムがゲットできるエリーツミニ書店
    • 先日、南阿佐ヶ谷の枡野書店様にて行ったエリーツ書店のような物販をします。素敵なアイテムが盛り沢山。サイン本あり。メンバーとも話せます。

こんな盛り沢山な内容に加え、さらに!

ここでしか手に入らないメンバー書き下ろしペーパー&エリーツ特製ステッカーを無料で配布します!

さらに!

プログレッシブな凄まじいテクを持つ変拍子ロックバンド、てろてろのライブも同イベントで観ることができます!

エリーツとてろてろを合わせて観ることで楽しさ十倍! 刺激は百倍!

超お得かつ、アットホームで居心地のいい雰囲気のイベントになる予定です。

椅子が多めに用意される予定なので、ゆったりとくつろいで音楽やトークをお楽しみいただけます。

ライブが初めての方、おひとりさま、大歓迎!

OPEN: 18:30 START: 19:00  会場3500円 配信2000円

チケット購入はこちらから(配信チケットもあります)

ぜひお気軽に遊びに来てください! エリーツ一同心よりお待ちしております。

11月22日の文学フリマ東京に参加します!

11月22日つまり今日、東京流通センター第一展示場で開催される文学フリマに参加します!

(当日のお知らせですみません!)

場所

東京流通センター第一展示場の、ブース番号ナ-15,16にいます。(下図参照)

売るもの

  • ロックバンド・エリーツの同人誌 vol.1 vol.2
  • 滝本のサイン本(NHKにようこそ! ライト・ノベル)
  • 自作音楽ダウンロードペーパー
  • 未公開短編集アクセスペーパー

その他、ブースではエリーツのメンバーであるphaさんや海猫沢めろんさんの各種関連アイテムが販売されています。

ぜひ遊びにきて下さい!

6月27日、オンラインライブイベント「これからの作家の創作術」を開催します

今週土曜、27日に、私が参加しているロックバンド・エリーツのオンラインライブイベントが開催されます。
 
(エリーツ=海猫沢めろん、佐藤友哉、滝本竜彦、pha、ロベスによって構成される文学系ロックバンド)
 
・小説、音楽、出版界の現在がわかり創作力が向上するトークライブ
・エリーツのオンライン生演奏
・ミニアルバム
・同人誌
 
全てがセットになった超お得イベントです!
 
トークライブでは、メンバー皆でこんなことを話す予定です。
 
・作家が語る創作の秘訣
・どうすれば小説を書けるのか
・バンド活動と小説執筆の共通点、相違点
・やる気の出し方
・ライターズブロックについて
・エッセイ、小説、書評、歌詞などの違い
・出版社の状況
・コロナ時代の会社員のあり方
・小説となろう小説が、似て非なるものであることについて
・継続することの大事さと、その方法について
 
オンラインライブなのでご自宅からお気軽に視聴できます。
ぜひご参加ください!
 
参加申し込みはこのリンクからお願いします。

『異世界ナンパ』が第5回カクヨムWeb小説コンテストを受賞しました

滝本竜彦初の本格長編ファンタジー小説『異世界ナンパ』が、第5回カクヨムWeb小説コンテストの特別賞を受賞しました。

https://kakuyomu.jp/contests/kakuyomu_web_novel_005

特別賞といえば私が初めて商業出版した小説『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』と同じで、縁起のいいものを感じています。

選考してくださった皆さん、読者の皆さんに大感謝です。

コミュニケーションの本質を探るコミュニケーションの自己啓発ファンタジー『異世界ナンパ』

現在、小説家になろうとカクヨムにて好評連載中です。

カクヨム  https://kakuyomu.jp/works/1177354054892579384

小説家になろう  https://ncode.syosetu.com/n9573fw

ぜひお読みください。

2月10日、トークイベント「作家の知の整理術」に出席します

私が参加しているロックバンド、エリーツのドラマーであるphaさんの本が、このたび二冊、文庫化されて出版されます。

『ゆるくても続く 知の整理術』(大和書房)

『どこでもいいからどこかへ行きたい』(幻冬舎)

このW文庫化を記念するトークイベントに、やはりエリーツのメンバーでギター担当の佐藤友哉さんと一緒に、私、滝本竜彦も出席させていただけることになりました。

pha×佐藤友哉×滝本竜彦「作家の知の整理術」

  • 出演
    pha

    佐藤友哉
    滝本竜彦

  • 時間 

    20:00~22:00 (19:30開場)

  • 場所

    本屋B&B
    東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F

  • 入場料

    ■前売1500円+ドリンク500円(ともに税別)
    ■当日2000円+ドリンク500円(ともに税別)

    イベントの詳細はこちら

    ご予約はこちらからどうぞ!

    気心の知れた作家友達でありバンドメンバーであるphaさん、佐藤友哉さんと共に、創作活動や各種スキル習得に役立つ話をする予定です。

    お楽しみに!

新連載『異世界ナンパ 〜無職ひきこもりの俺がエルフや猫人間や幼女竜に声をかけてみました〜』始めます!

ここ数ヶ月、人知れず書き続けていた長編作品を本日18時から公開します。

『カクヨム』『小説家になろう』にて月〜金まで毎日更新予定です。

内容はカクヨム、なろう共に変わりないので好きな方からお読みください。

・『カクヨム』マイページ  https://kakuyomu.jp/users/TatsuhikoTKMT

・『小説家になろう』マイページ  https://mypage.syosetu.com/1785566/

フォロー、応援、ブックマーク、なにとぞよろしくお願いいたします!

*アイキャッチ画像は、『エターナル』[https://twitter.com/ETERNAL_pro]のディレクターでフリーのグラフィックデザイナーであるYu氏[https://twitter.com/riderlimited]に作っていただきました。

本日、文学フリマ東京で作品販売します!

急な話ですみませんが、本日11月24日、東京流通センターにて行われる文学フリマ東京で、phaさんのお手伝いがてら、私の作品も販売することになりました。

ブースはナ-50です。

販売するものは以下です。

・自作音楽CD+解説ペーパー

長編小説『ライト・ノベル』の自作サウンドトラックです。以前、イベントで販売したものですが後半三曲がリミックス/リマスタリングされており、さらに高音質/高クオリティになりました。全曲解説が書かれたペーパー付き。渾身の一枚!

 

・短編小説集のURLが書かれたアクセスペーパー

なんと14作品、原稿用紙230枚分!

『ライト・ノベル』サブストーリーや、『ライト・ノベル』内に挿入された短編のオリジナル版なども含まれています。

 

・各種書籍

 

  • 『僕のエア』
  • 『ムーの少年』
  • 『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』
  • 『NHKにようこそ!』

なんと激レアな『ムーの少年』があります!

ご希望の方にはサインします!

皆様のお越しをお待ちしております!!

シン・エヴァンゲリオン公開記念!『綾波忘却計画』全文掲載!

綾波忘却計画 滝本竜彦

初出 2004/04/01発売  

 エヴァの放映が終了した夜、多くの青少年が絶望した。
「明日から何を楽しみに生きてゆけばよいのだろう……」
 そしてエヴァ劇場版が上映された日、多くの青少年が心に深い傷を負った。皆、言葉にならない芒洋とした気持ちを抱えて映画館を出た。
 だが一部のものは、エヴァに対するモヤモヤした感情を二次創作小説に吐き出して、自分の気持ちに折り合いをつけようとした。こうして一九九七年、空前のエヴァ小説ブームが到来した。当時ネットに存在していたエヴァ小説サイトはその数、数百とも数千とも噂されていた。その巨大コミュニティーの片隅に、僕のホームページも存在した。メインコンテンツは恋愛小説。ヒロインは綾波、そして主人公は『僕』の、脳がとろけるラブストーリー……。
 僕はこたつに座って薄ら笑いを浮かべ、精神が腐るような妄想小説を書いた。大学一年生の僕は学校に行くのも忘れて、妄想含有量百バーセントの純粋自己満足小説を書いた。
 僕の考えた綾波は、ライフルも持たずに出ていったり、爆発したり、三人目になったり、びっくりするぐらい背が伸びたりすることもないので安心だった。当時としても旧式のNEC98で、僕は愉快に楽しくノータリン妄想小説を創作した。
 まったくそれは、あまりにも知能指数の低い青春エピソードであったが、せめて自分の書いた妄想小説の中だけでも、僕は綾波とお近づきになりたかった。僕はそれだけエヴァを好きだったし、僕は死ぬまで綾波だけを愛するつもりでいた。サークルの新歓コンパでも、僕は胸を張ってエヴァを布教した。
「みなさんこんにちは、北海道から出てきた滝本竜彦と言います。趣味はエヴァンゲリオンというアニメの鑑賞です。観たい人がいたらビデオを貸してあげますので、気軽に声をかけてください!」
 なぜかそれ以来誰も僕に声をかけてくれなくなったが、数ヵ月後、学園祭の夜に、サークルの皆が僕の寝床に大挙して押し掛けてきた。僕のアパートは学校近くにあったので、寝泊りに利用するつもりだったらしい。僕は嬉々としてエヴァンゲリオン大上映会を開催してやった。疲れ切っている皆を眠らせまいと、声を張り上げ解説した。
「ほらこのシーン!、ちゃんと見てよこのシーン、マジ凄いから!」
「うわああああああ! がおおおおおおお! ぶしゃぁー!!」ジンジ君が切れ、エヴァが吠え、ナイフが突き刺さって血しぶきが飛び、拳を振り上げ僕ははしゃいだ。
 しかし、皆は舌打ちして僕の部屋から出ていった。以後、二度と僕の部屋に皆が遊びに来ることはなかった。ひとり真っ暗な部屋に取り残された僕は思った。
 あいつらに何がわかる。
 エヴァを無視する人間は、低脳なのだ。エヴァを馬鹿にする人間は、全員僕の仇敵なのだ。
 どんなに頭の良い有識者の言葉でも、エヴァを悪く言うセリフだけは許せなかった。エヴァを馬鹿にする記事を雑誌で読むたび、僕は怒りにぶるぶる震えた。世が世ならテロで粛清してやるところだ。
知った風な口をきいて「ありゃ失敗作だね」などとエヴァを見下す奴らを僕は、死んでも絶対に許さない。エヴァの良さがわからない人間は、今すぐ己の不明さを恥じて切腹するべきだ。
 お前らに何がわかる。
 ある日、僕はゼミの研究発表でエヴァを上映した。
『映像メディアと文学の関わり』的なことを考えるゼミだったような気がするが、あまり詳しくは思い出せない。なぜなら途中で出席するのを止めたからだ。エヴァの凄さ素晴らしさをゼミで意気揚々と発表したところ、サブカル風の男が隣の女性にぼそりと囁いたのだ。
「いまさらエヴァってどうなのよ? あいつヤバくね?」
 僕は拳を握りしめてゼミ室から退場した。以後二度とその授業には顔を出さなかった。
 枕を涙でぬらし世間を呪った。何が「いまさら」だ。エヴァを消費できると思うなよ。綾波を忘れられると思うなよ──少なくとも僕だけは死ぬまでエヴァが綾波が好きなはずだった。その証拠に僕はエヴァグッズを腐るほど買い集めたし、UCCエヴァコーヒーも虫歯になるまで飲んだし、タメになるエヴァ本も本棚にズラリとそろえたし、映画館で売っていたネルフの帽子も持ってるし、シンジ君が表紙のスタジオヴォイスも発売日に二冊買った。
 もちろんセリフだって全部暗記したし、CDも毎日聴いたし、壁にポスターもぺたぺたと貼った。アパートに遊びに来た女性と二人きりになった夜も、僕はテレビでエヴァを観た。背後に人間女性がいると緊張したが、体育座りでエヴァを観ていると心が落ち着いた。このように僕の青春は何から何までエヴァだったし、僕は綾波レイが大好きだった。毎晩遅くまで、妄想エヴァ小説の執筆に精を出した。ヒロインは綾波で主人公は僕だ。物語のクライマックスで、僕は綾波に告白した。
「君が好きだよ、いつまでも君が好きだよ!」
 しかし……。
 しかし綾波はこんなとき、どういう顔をしたらいいのかわからないらしかった。
 表情を決めかねているうち、恐ろしい速度で数年の時が流れ去った。
 ハッと気づくと、僕は二十五歳になっていた。
 二十五の僕は「ハリウッドで実写エヴァが!」との大ニュースを聞いてもまったく動揺しない大人になっていた。「綾波役はどうなるのよ? いっそのこと黒人を起用して皆のドギモを抜いて欲しいよな。」と小粋なジョークを呟くぐらいに大人であった。もう「エヴァを汚すな!」などというファナティックなセリフは叫ばなかった。
 壁の綾波ポスターも、とっくの昔に剥がされていた。エヴァビデオは押入れの中でほこりを被っていた。完全暗記し、ことあるごとにスラスラ引用できたエヴァセリフも、今ではほとんど忘れていた。仕方なしに誰かとエヴァについて話す時も、僕は熱くならずにニコニコ喋った。「アレは実に画期的なアニメでしたねえ」そして誰かがエヴァを小馬鹿にしたとしても、もはや怒りは沸いて来ず、すでに何の感情も沸いては来ず、あの日終劇の二文字に感じた喪失感を、僕は見事に消費しきってしまっていた。あの言葉にならない苦悩を、ドロドログチャグチャの感情を、ぽっかりと心に開いた大穴を、僕は完全消費していた。それでも胸の内にただ一つ残されている感情があって、僕は笑った。それは痛さだった。このエッセイを書くに当たり、昔の資料を読み返してみた僕は、疼きだした胸の痛みに微笑んだ。みんなの恥ずかしい過去に僕はウキウキと心躍らせた。
 たとえば有名ライターさんが書き下ろした、あまりに寒いエヴァポエム。あるいはエヴァのことで師匠とケンカしたライターさんの裁判記録。そして箱根湯本駅に謎の人物が設置した「ようこそ第三新東京市へ」との立て看板──それらの記憶が紡ぎだすイタさ恥ずかしさに、僕は呻いてみんな馬鹿だったねと楽しく笑った。何もかも皆、痛々しくて素敵だった。いい大人も頭の良い有識者も、当時のみんなは、とてもイタくて面白く、僕も若くて狂っていた。押入れの奥からNEC98を引っ張り出して、数年前に自分が書いた妄想エヴァ小説を読み返してみたら、あまりの馬鹿さに脳がとろける思いをした。
 ──ひょんなことから自我に目覚め、ゲンドウの所から逃げ出してきた綾波が、小田急ロマンスカーに乗り込み、新百合ヶ丘で各駅停車に乗り換え、生田までやってくる。そして彼女は、深夜の駅前をぶらついていた僕とばったり出会って恋に落ちる。しかしネルフ保安部が迫り来る。
 僕は機転を利かせて彼女をアパートに匿った。もう大丈夫だ、ここにいれば安心だ。だからお願いだ、綾波、君はずっとここにいてくれ。たぶん僕は世界で一番君のことを愛しているよ。君さえいれば僕は他に何もいらないよ──。
「そうさ僕は、いついつまでも君が好きだよ!」
 しかし……。
 しかしそもそも君はどこにもいなかったし、僕の言葉は大嘘だった。虚構少女に対する熱い想いは数年も昔、遥か虚空に消滅した。それに綾波はとても無口で無表情な少女だったので、僕らふたりは、どんな顔をしたらいいのかわからないまま、カチンと固まり突っ立っていた。長らく僕らはふたりとも、何も言えずにぽおっとしていた。埒があかないので、僕は古い98のキーボードを数年ぶりに叩き、妄想エヴァ小説の続きをカチカチ執筆再開した。
「ごめんよ、綾波、僕はもうダメだ」
「そう」
「君のセリフが思い出せない。君の顔すら思い出せない。ねえお願いだ、戻ってきてくれ、僕には君が必要なんだ!」
「さよなら」
「そんな悲しいこと言うなよ。──そ、そうだ! 笑えばいいと思うよ!」
 すると綾波は第六話のラストと同じように、にっこり僕に微笑んだ。
「さよなら、竜彦君。あなたは死なないわ。私が守るもの」
 そうして電信柱の鳩が飛び、ふと振り向けば、もう綾波は、どこにもいない。
 僕は涙を拭って手を振った。寒くてイタい思い出すべてに、僕は笑顔で手を振った。


長年、いろいろなサイトにフリー素材のごとく無断転載されてきた本エッセイ、削除申請しても雨後の筍のように別サイトに転載され続けてきたのですが、こうなったら自サイトに載せてしまえということで掲載します。無断転載禁!

関連アイテム

このエッセイはこのアンソロジーに掲載されています。感動したら買ってね!(2019/07/07現在、新品発売中)

滝本の綾波愛がほとばしった小説。脳内彼女『レイちゃん』と滝本のラブストーリーが読めるのは超人計画だけ!

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