光の小説と創作瞑想のページ
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ライトノベル 〜光の小説〜 第3章 その9.光

 わずかに電池が残るスマートフォンの液晶、それが発する弱い光は、まだ小説の最後のページを照らしていた。だが物語はそこで断絶されていた。黒髪の探索者は目的地に辿り着くことができなかった。未読のチラシはもうどこにも残っていな …

ライトノベル 〜光の小説〜 第3章 その8.人間天使との性的交流

 そして『双子と秘密の書』と題された短編は終わった。一息つこうと体を起こしかけたところで、僕は自分と同サイズの哺乳類に真横から襲われ、体をひっくり返された。唐突にめたとんが僕に抱きついてきたのだ。 「はあ、はあ」  めた …

ライトノベル 〜光の小説〜 第3章 その7.邪神とわたし/双子と秘密の書

 その短編小説の最初の舞台は夜の廃校だった。  もう使われていない木造校舎の廊下に、ラクロス部の青いジャージが脱ぎ捨てられ、割れた窓ガラスから差し込む月光に照らされていた。  そのジャージを着ていた女子はどこに消えたのか …

ライトノベル 〜光の小説〜 第3章 その6.闇の迷宮

 光と闇の戦いが続いていた。  その戦いの一方の主役は闇の魔術師だ。闇の迷宮の中心にある、冷たい玉座に座るその者は、あまりにも長い光からの逃走の果てに、意識が朦朧としていた。 「私、なぜここにいるかわからないし。ここは一 …

ライトノベル 〜光の小説〜 第3章 その5.エンター・ザ・テント

 アリスと別れた僕らは高台を下り、住宅街を無目的に歩いていた。  隣にはまだめたとんがいる。僕は聞いた。 「このあとどうするの? 帰るところはあるのか?」 「あ、あるよ……もちろん。家ぐらい」 「その家はよその家だったじ …

ライトノベル 〜光の小説〜 第3章 その4.夜の公園/耶麻川荘訪問

 バスの自動音声案内によって我に返った。  僕は降車ボタンを押すと、隣でいびきをかいている少女の肩を揺さぶった。  めたとんはロボットの再起動シークエンスのように、腕、首、肩、両足の関節を順に曲げ伸ばしすると、目をこすり …

ライトノベル 〜光の小説〜 第3章 その3.めたとんバスに乗る

 校門近くのバス停にはプラスチックのベンチが置かれていた。少女はベンチの機能を確かめるように、それに手を触れると、腰をおろした。 「これはベンチだよ、座るためのものだよ」 「…………」  僕は時刻表を確認した。  初夏の …

ライトノベル 〜光の小説〜 第3章 その2.ふみひろ謎の少女と再会する

 顔を上げると、目の前にひとりの少女が立っていた。夜風に揺れる街路樹の脇にたたずみ、こちらを見ていた。  年齢は僕と同じぐらいか。  これからキャンプにでも出かけるのか、巨大な登山鞄を背負っている。  確かこの人、下校す …

DJエリスのダンスパーティー

 山田エリスの夢はダンスミュージックを作り、それをパーティで発表することだった。だがその夢の実現にはいくつかの障害があった。  まず一つ目の障害は、ダンスミュージックを作る方法がまるでわからないこと。その方法を調べる方法 …

ライトノベル 〜光の小説〜 第3章 その1.ママとの論戦

 通学路の真ん中に、巨大な鞄を背負った少女がいた。なぜか立ち止まり、僕と目を合わせている。 「…………」  何か引きつけられるものを感じたが、見ず知らずの通行人だ。僕は軽く会釈して脇を通り過ぎた。  五号室で昼寝したせい …

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