前回の作品投稿からかなりの時間が空いてしまったが、なんとか新曲をサウンドクラウドにアップできました。
ぜひお聴きください。
作曲メモ
前回の曲と同様、今回もAbleton Liveの標準機能をメインにトラックメイクしました。
いくつかEQ、コンプに他社製のものを使い、マスタリングが面倒になってOzoneを使ってしまいましたが、それ以外は標準音源、標準エフェクトだけです。
で、前回と同様、竹内一弘氏の著作を読んで、その中に書かれているテクニックを実践する練習として曲を作りました。
この三冊はAbleton Liveユーザーやエレクトロニック・ミュージックを作ろうとしている人はベスト・バイではないかと思います。
モードで作曲
上で紹介した『エレクトロニック・ミュージック・クリエイターのための作曲アイデアと表現テクニック』では、主にモードでエレクトロニック・ミュージックを作るための方法が書かれています。
この本を参考にして、かなり以前にドリアン・モードでShe Came into Your Lifeという曲を作りました。
今回もドリアン・モードで曲を作ってみました。
どちらの曲にもドリアン・モード独特の浮遊感が出ていると思います。
モードで作曲すると、通常の調性音楽でのコード進行が生み出す物語性や時間の流れの感覚が薄れます。
その代わりに生じる浮遊感や、感情的なドラマが希薄な感じが、特にミニマル・テクノ的なループを多用するエレクトロニック・ミュージックによく合うようです。
逆に言うと、同じエレクトロニック・ミュージックであっても、トランス等の物語的な感情の動きを重視するジャンルでは、モード的作曲法はあまり適合しないように思います。
以下、今回のトラックメイクのアイデアを箇条書きでメモっておきます
- テクスチャー的なサンプル二つを組み合わせたクリップにBeat Repeatにかけたらアシッドベース的な音になったので、それにフィルターをかけて曲中、鳴らし続けた。フィルターはMIDIキーボードのツマミをアサインし、その操作をリアルタイム演奏で録音した。
- ベースのフレーズは曲中、ずっと同一のものを使った。それに標準エフェクトのRandamとBeat Repeatをかけることで展開を作った。こういう音楽では、できるだけメロディのフレーズは少なくし、それをエフェクトによって加工して展開を作るとミニマル的なカッコよさが生まれるらしい。
- パッドは曖昧感が出るようにErosionやFilter Deleyで加工した。
- シンセのメロディをパッドと溶けこむように、周波数に気を使ってEQをかけた。
などなど。
総評、感想
このタイプのミニマルなテクノ的な曲の作り方が少しわかった気がする。
アップ後は「なんていう地味な曲を作ってしまったんだ。こんな曲をアップしてオレは馬鹿かー」と後悔していたが、今になっては一番、好きな曲である。
といっても私はいつも一番最近作った曲を一番好きになるのであるが。。。
ところ、この曲はなぜか東欧からのリスナーが多い。東欧というとなんとなくハードなテクノが好まれそうなイメージがある。そのためだろうか。。。
なんにせよ地球のいろいろなところに住む方々に聴いてもらえて嬉しい事である。
この曲を地球のどこかで聴いてるだれかがその瞬間、ノリノリになってるところを想像すると本当にトラックメイカー冥利に尽きる気持ちになる。