9月頭に作り始めた曲。10月も半ばになりやっと完成した。
曲の雰囲気の紹介はTKMT-music.workに書くとして、本ブログでは製作にあたっての技術的なあれこれを書き残しておきたい。
主な使用プラグイン
- Midnight Plugin Suite
- これはFocusriteのISA110とISA130なる有名なEQとコンプをプラグイン化したものである。いくつかのトラックに挿して雰囲気を付加するのに使った。微細な艶感が出た。
- Synth Master One
- 安くて高機能シンセ。メインメロディとパッドに使った。
- Captain Plugin
- コード、ベース、メロディのAIによる打ち込み補助プラグイン。クリアで優しい音が出るマルチ音源でもあり、かなり気に入ってる。ピアノのバッキングとベースに使用した。
- Punch Box
- いい音が出るキック専用音源。Spliceの月500円のサブスクで使用。
- iZotope Ozone & Neutron
今回試したアイデア
- サビでメロディ1の一部を自動演奏に任せた。
- ブレイク以降に登場するメロディを、Ableton Live標準のMIDIエフェクトであるRandomでランダム化し、さらにそれがメジャーペンタトニック・スケールで鳴るよう、MIDIエフェクトのScaleを通した。
- これによりサビのメロディを、エモーショナルで聴きやすいものでありながらも俺の個人的な人情に流されないものにできた。
- さらにサビでのメロディ2を、「クリップのランダム演奏の録音」という手法によってランダム化した。
- これはMIDIエフェクトのRandomによるメロディのランダム化とはちょっと違うテクニックである。Ableton Liveの演奏の最小構成要素であるクリップが再生される順番を、Live特有の機能であるセッションビューのフォローアクションによってランダム化し、それを録音することによってサビのメロディ2をランダム化している。
どちらのアイデアも『Ableton Liveでエレクトロニック・ミュージックを作る プロのアイデアとテクニック』を参考にしたものです。とてもいい本なので、Liveユーザーはぜひご一読ください。
また本作は、いつもどおりAbleton liveというDAWの各種機能を駆使して作られています。世にいろんなDAWがありますが、私のおすすめはAbleton Live! 使えば使うほど手に馴染んできて愛着がどんどん湧いてきます。思いついたいろんなアイデアもサクサクと形にしていくことができます。
総評 Clear Vision
いつもどおり、完成した直後は「信じられない、オレはなんという天才か!」と、自分自身の創作物の素晴らしさに歓喜した。
非常にエモーショナルなメロディと気持ちいいビートを持ちつつも決して重くなく、心の穏やかさや意識のクリアさをサポートする曲になっている。
いいね!
だが、数日経つと、曲のいろいろな部分が気になり、あれこれ直したくなったり、かなり落ち込んだりもします。
このアップダウン自体がいつも通りなので、結果、いつも通りの作曲ができたかな。
なんにせよ曲を一曲、作るたびに自分自身がアップデートされていくのが感じられる。
願わくばリスナーの皆さんにも何かしらのいい体験がこの曲を通じて生じますように。