小説の書き方 mini TIPS その2.『意図を設定する』

前回の小説の書き方 mini TIPSでは『ネタ/アイデアを生み出し、それをキャプチャーするためのシステムを持つ』ということについて書いた。

このシステムを稼働させることにより、小説の部品が少しずつ溜まっていく。また創作活動のための基本的な筋力が身についていく。

これは小説という建造物の部品となる石材をひとつひとつ集めてくるような、いわばボトムアップ的な作業である。

そのボトムアップ的な作業は、今回紹介する『意図を設定する』というトップダウン的な作業と対になることで、大きな効果を発揮する。

意図を持ってアイデアを集める

小説の意図を設定しないままアイデアを集めることほど虚しいことはない。

意図がない状態で集められたアイデアは漠然としており、明確な焦点を結ばず、うまく組み上げることは難しい。しかし確固たる意図がある状態で集められたアイデアは、望みの意図を達成するため材料としてそれぞれがうまく組み合わされ、自分が望んだものを作り上げる役に立つ。

というわけで小説を書く前に、これから自分が書くであろう小説の意図を考えることは決定的に大事である。

だが小説の意図とは、具体的にはいったいどういったものだろう?

小説の意図とは

それは別に難しいものではない。

たとえば「この小説を書いて私は、プロになる!」みたいな願望も、その小説の意図ということになる。あるいは「この小説を書いて私は、金持ちになる」みたいな願望も、当然、その小説の意図ということになる。今回のTIPSは、作品意図、つまりその作品の目的を、前もってある程度は考えておくべき、というただそれだけの話である。だがこれは意外に疎かにされがちである。

ところで、「この小説を書いてお金を作る」というのは作者のための意図である。それを考えると同時に、小説を受け取ってくれる人々や扱ってくれる人々のための意図についても考えておく必要がある。つまり読者や出版社やこの社会に対して、自分がこれから書く小説がどんな効果、意味を持つのかについても、具体的に意図しておく必要がある。

小説は商品でありコンテンツであり、生産物であり農作物みたいなもので、作り手から受け手への贈り物のようなものである。そのギフトを通じて、どんな利益を読者に与えたいだろうか。

小説を通じて、読者にどんな感覚、感情、考えを与えたいだろうか。また、その小説を通じて、出版社やこの社会に、どんな価値や影響を与えたいだろうか。与えたい影響を前もって考えておくことが、その小説の、読者や社会に対する意図を設定するということである。

まとめ

自分に、読者に、出版社に、社会に、どんな価値や影響を与える小説を書きたいかを前もって考えておくことで、実際にそのような効果を持つ小説を書くことができる。

ちなみに私がかつて書いた小説、『NHKにようこそ!』を書く際、私は以下のような意図を持ってそれを書いた。

  • お金を私にもたらす小説
  • メディアミックスしまくる小説
  • 全世界の自分に似た読者に、笑いと、安心感と、勢いと感動を伝える小説
  • 闇の中に隠れていたオタク的、ひきこもり的生き方を陽の光のもとにさらけだす小説

で、「こんなものを書くぞ!」と思って書いた結果、だいたいそのようなものが書けた。その他の小説についても同様である。

というわけで意図を設定することは超重要なことであると私は思う。

漠然とやったって、漠然とした結果しかでない。

なんとなくで書いてたら、なんとなくなものしか書けない。

しかし、「こんなものを作るぞ」と意識的に決意したとき、実際にそんなものが作れる。少なくとも、その意図に近いものが産まれるのである。

とはいえ、いまだこの世に存在してないものについて、何かしらの意図を持つことは本当に難しい。それは確かである。でも、最初は漠然とでもいいので、どんな意図を持って小説を書くのかを考え、箇条書きにしてメモっておくことをおすすめする。

  • その小説は自分に何をもたらすだろうか?
  • その小説は読者に何をもたらすだろうか?
  • その小説は出版社に何をもたらすだろうか?
  • その小説は社会に何をもたらすだろうか?

このような質問に対する答えを、思いつくだけ紙に書き出してみることをおすすめする。

このように意図を設定することで、小説製作に目的が生まれる。目的が見つかれば、そこに向かって歩いていくことができる。


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