ヘビヘビワンダーランド製作記 その5 

長かったヘビヘビワンダーランド製作記ついに最終回に達した。


ヘビヘビワンダーランド製作記:

第一回第二回第三回第四回

番外編『Korg Gadget+Ableton Liveで、指一本でコードを鳴らす


今回の最終回では、ヘビヘビワンダーランド完成に向けてのあれやこれやの細々とした作業を、簡単にざっと紹介していく。

読者の皆様の何かしらの足しになれば幸いである。

トラックをコピーして重ね、展開を作る

ヘビヘビワンダーランドはKorg GadgetのChang maiがAメロのアルペジオ、Brusselsがサビのメロディを担当している。

Aメロ、サビの中で展開を作るために、トラックをコピーして重ね、ずらすという作業を行う。

まずはチェンマイをコピーして重ね、適宜、音が段階的に増えていくよう調整。

こんなふうに。

まず最初のアルペジオがしばらく鳴ったあと、そこに、ほわ~というPad的な音色が鳴り、更にその後、少し鋭い音が最初のアルペジオの音の間に挟まるようにした。そして最後に、タラララララララと階段のように上から下に音が降りていくようにした。

全部、同じChaing Maiの音であるが、違うプリセットの音を使っている。これにより統一感がありつつも、それぞれの音を聴き分けることができるようになっている。

エレクトロニック・ミュージックの基本

エレクトロニック・ミュージックの基本は、ループを反復させることと、そこに少しずつ新しい変化を重ねていくことだ。

変化はだいたい8小節ごとに生じさせる必要がある。

これ以上、短いスパンで変化を起こせば、ループに没入する気持ちよさが損なわれがちだ。

一方で、8小節以上、同じ展開が続けば飽きてしまう。少なくとも私は。

だから8小節ごとに何かしらの新しい変化を導入するといい。

また変化は、カットオフをぐりぐりすることでも起こすことができるが、それを単体で8小節以上続けたとき、それは単に『カットオフの変化が8小節以上続いている』ものとして認識されがちだ。それはつまり何も変化していないのと同義であり、結局それは飽きられててしまいそうに思う。

やはり小さくてもいいから、何からしらの新しい何かを八小節ごとに導入すべきだろう。その『何か』はハイハットが新しく鳴るなどという小さな変化でもいい。ただしそれはリスナーが認識でき、それに注意を払うことができるものである必要がある。

そのような小さな変化を八小節ごとに積み重ねて行けば、メロディは同じであったり、コード進行も同じループでも、長い間、リスナーの注意をひきつけ、楽しませ、満足感を与えることができるだろう。

サビのメロディもコピーして重ねてオクターブずらす

こんなふうに。

サビに入ると、まず上図下段のトラックであるBerlinによるサビのメロディが鳴る。これはもともとBrusselで鳴らしていたメロディをただコピーしたものであるが、4小節ごとにオクターブが上下するようにしてある。

BerlinはBrusselに雰囲気は似ているものの、より軽快で繊細な音が鳴るGadgetである。このBerlinによるメロディが8小節鳴ったあとで、上図上段のBrusselによって同様のメロディが重なる。こちらはオクターブは固定してある。

これらを重ねることにより、軽快に上下にうねうね動くおそらく白っぽいヘビと、太くて安定してまっすぐどっしりした黒っぽいヘビが相互に絡み合いながら、ヘビヘビワンダーランドを気持ちよく前進していく様子を表現できた。

エフェクトをかける

次に細かいエフェクトをかけていく。

まずはAメロのチェンマイのアルペジオにAuto PanというAbleton Live付属のオーディオエフェクトをかける。

こんな感じ。上図参考。見るからにヘビっぽい蛇行が感じられる。

サビでのメロディは周波数の上下のうねりだとしたら、こちらのアルペジオはパンニングによる左右のうねりである。

これは無数の小蛇が左右に細かく蛇行しながらヘビヘビワンダーランドの草むらを前進していく姿を表している。

さらにエフェクトをかけ、オートメーションで展開を作る

二番のAメロは一番のAメロよりも長いため、このままでは飽きてしまう。よって、さらにたくさんのエフェクトをかけて展開を作る必要がある。

W.A ProductionのSphereQuad、Ableton Live付属のDeley、Native InstrumentsのPhasis、といったエフェクトをトラックに挿しまくり、それらを8小節ごとに、オンオフしていく。

こちらをオンにしたらあちらをオフに。

あちらをオンにしたらこちらをオフに。という感じで。

エフェクトのオンオフはオートメーションで書いた。

これにより長めのAメロも飽きずに聴けるものになった。

雰囲気を出すため、環境音を入れる

サビは『ヘビヘビワンダーランドの日の当たる場所にやってきた蛇たちが喜びとともに雄大な自然を這い回る』というようなイメージにしたい。

そのため、なんとかしてトラックに『雄大な自然』のイメージを持たせたい。

そのために私は、実際に雄大な自然の中で録音された背景音をトラックに導入することにした。

具体的には、Mindful Audioが過去に無料配布していたサンプル『南アフリカのサバンナの午後』の音をサビに重ねた。

その無料配布は終わったが、Mindful Audioでは素晴らしい高音質のサンプルを多数販売中だ。

また、コーヒー一杯分の値段で世界各地で録音した環境音を手に入れることができるサービスを現在提供中のようだ。

非常に高品位の録音なので環境音を作品に取り入れたい方には、ぜひおすすめしたい。

その他、各部を調整する

あとはひたすら各部を調整する。

調整調整。

調整調整。

調整調整。

調整調整。

セーブして調整。

もすこし調整。

まだまだ調整。

もうちょっと調整。

や、や、や、や。

やったー!

できたぞー!

完成! ヘビヘビワンダーランド!!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です