ヘビヘビワンダーランド製作記 その2

この曲↑の制作記録、その2です。その1はこちら

前回の記事では、Korg Gadgetを使って、さくっと曲のコアとなる部分を作ったところまで書きました。今回はそれをAbleton LiveというDAW上で編集する話です。

Korg Gadgetで作った曲を、Ableton Live上で編集・調整する

エクスポート/インポート

Korg Gadgetの「エクスポート」から「Ableton Liveプロジェクト」を選び、iCloudドライブにAbleton Liveプロジェクトファイルを書き出します。

そしてMacのAbleton Liveでそのファイルをオープン。

するとこんな画面になります。

これはセッションビューと言いまして、この画面はKorg Gadgetのソングセクション、ミキサーセクションと同様の並び方になっています。

これ↑と一緒ですね。

使い方もだいたい同じようなものなので、Korg Gadget ユーザーは、Ableton Liveのセッションビューをすぐ使えるはずです。

アレンジメント・ビューへ

Ableton Liveにはセッションビューの他に、もう一つ、アレンジメントビューというものがあります。

セッションビューでは曲の部品、クリップが縦に並んでいます。この画面では各トラックのクリップを自由に再生して、様々な組み合わせを試すことができる場所です。セッションビューは、ミュージシャンのセッションのように、自由に音を鳴らし、アイデアを生み出すための場です。

一方、アレンジメントビューではクリップを横に並べて、左から右へと時間の流れを持った曲として厳密に構成していく場所です。

Korg Gadgetでは縦並びのソングセクションがLiveにおけるアレンジメントビューと同様の意味合いを持っていて、そこで曲を完成させることができます。

また、Korg Gadgetからインポートした曲のデータは、最初、Ableton Liveのセッションビューに縦に並んでいます。

ですがLiveでは、セッションビューに縦に並んでいるクリップを、アレンジメントビューの方に並べ直さなければ、曲として完成させることはできません。

よって、Korg GadgetからAbleton Liveへと曲データをインポートした際には、セッションビューから、アレンジメントビューへと、クリップを並べ直す作業をする必要があります。

アレンジメントビューにクリップを並べる

セッションビューに縦に並んでいるクリップを、アレンジメントビューに横に並べるには二通りの方法があります。

1つ目の方法は、アレンジメント録音ボタンを押し、セッションビューのシーン再生ボタンを上から順に押していくことです。それによりセッションビューのシーンを上から下までアレンジメントビューに録音していくことができます。

2つ目の方法は、セッションビューのクリップをコピーして、アレンジメントビューにペーストし、手作業で並べていくことです。

どちらの方法でもいいので、アレンジメントビューにクリップを並べていきます。

するとこんな感じになります。

これで、Korg Gadget上と同様の曲の並びをアレンジメントビューに作ることができました。

ロケータを使い曲の構成を作る

ここで、アレンジメントビュー上で、曲の構成を少しアップデートします。

Korg Gadget上では、イントロ、ビルドアップ、ドロップという構成でしたが、ドロップの前に、ブレイクという盛り上がりポイントを入れたいと思います。

ブレイクというのは、曲が一番盛り上がる前に、ドラムの音などが消える場所のことです。一番盛り上がる前でキックを抜いて、盛り上がるシーンが始まると共にまたキックを入れることで、盛り上がりを演出できます。

曲の構成を決める際は、アレンジメントビューに、ロケータ、というものを打ち込んでいくとわかりやすいです。

イントロからビルドアップ、ビルドアップからブレイク、とシーンが移り変わる地点に、目印としてロケータを打ち込んでおくと、ここでシーンが変わるな、というのがわかりやすくなり、また曲も作りやすくなります。

打ち込んだロケータには名前を付けておくと、さらにわかりやすくなります。

こんな感じ↓です。

三角マークがロケータで、その横に、左からIntro、BuildUp1、BuildUp2、Break、Drop、Outroと名前を付けてみました。

この工程は私的に、作曲作業を効率化する大事なものです。

「曲のこの地点は、こういう機能を持った場所」と、前もって決めて名前を付けてしまうことで、無駄に悩むことが減り、メリハリのある曲が作りやすくなります。

オートメーションを書く

次に、この構成に合わせて、クリップの並びを適宜、調整し、さらにブレイクをオートメーションで作ります。

というのも、新しくドラムを打ち込んだりするのが面倒だったので、音量調整やエフェクトの調整だけで、なんとかブレイクっぽいものを作りたかったからです。

こんな感じのオートメーションを書いてみました。ドラムはブレイクが始まるとだんだん音量が下がり、ドロップ直前でまた大きくなります。アルペジオとベースは、ブレイクが始まるとどんどんリバーブが深くなっていき、ドロップでまたもとに戻ります。

メインメロディにエフェクトをかけて面白くする

次は、メインメロディをもう少し面白くするために、フィルターをかけてみます。

メインメロディのシンセ、Brusselに、Ableton Liveの標準機能であるAuto Filterというエフェクトをインサートします。これはLFOによってフィルターのかかる周波数を自動で動かすことができるエフェクトなので、蛇のウニョウニョ動く感じを出すために最適です。いい感じになるよう、各種パラメータをいじります。

さらに、オートメーションを使って、ドロップの途中でこのフィルターがかかるようにします。

そして、曲の最後がフェードインするようにオートメーションを書いたら、曲の完成!

人工知能まかせでミックス/マスタリング

次はサクッとミックス/マスタリング作業をします。といっても、ほぼすべてプラグイン任せです。

適当にフェーダーを調整した上で、全トラックにiZotope Neutronを挿します。そしてトラックアシスタント機能を使って、各トラックの音質を調整します。AIが勝手にコンプレッサー、EQなどいい具合に調整してくれます。

これでミキシングが完成しました。

次に、マスタートラックに、Ableton Live標準のAnalog Tape Channel Stripというデバイスを挿します。これによってアナログテープっぽい雰囲気を醸し出します。

その上で、マスタートラックにiZotope Ozoneを指し、マスターアシスタント機能を使って、全体の音質を調整します。これによってマスタリングも完了。

できたー! 完成! あとは曲を書き出すだけです。

これ(iPhoneのKorg Gadgetのみで作ったトラック)↓が

こう↓なりました!

少しは洗練されて、メリハリが付き、聴きやすくなったのではないかと思います。

さて、次回の記事では、まだアイデアスケッチに留まっているこの曲↑を、さらにアップデートして、ひとつの曲として成立させる作業を書きたいと思います。


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