百万畳ラビリンス

めちゃくちゃ面白い!

作者はComic LOの美麗かつクールな表紙イラストでおなじみの、たかみち氏。

ある日、気がつくと、主人公は無限に続く木造建築の中で目覚める。なぜ自分がここにいるのかわからないまま、どこまでも畳が続く建築物の中を主人公は探索していく。

映画、CUBE的なシチュエーションを和風にし、よりゲーム的にして、さらにほのぼの風味にした感じの話。

主人公の、世界に対する固定観念や先入観から自由であるという、アウトサイダー的性質が心地よい。

アウトサイダーであるがゆえに、世界や社会からまったく理解されず、常に浮いてしまう存在ではあるのだが、それでいて世界にも社会にも憎しみを抱いておらず、ただ自分の楽しみの追求に忠実というサッパリした性格。極めて魅力的な主人公の造形である。こういう人と友達になりたいものである。

上下左右や空間の繋がりがねじ曲がり、ループしているこの世界の構造はまさにゲーム的で、そのゲーム的世界の構造やルールがしっかり描写され、それが冒険の中で少しずつ開示されていくプロセスに、読んでいて強いワクワク感を覚える。

畳がどこまでも続いていくというヴィジュアル・イメージに、筒井康隆の『遠い座敷』とかで描かれたような、日本SFに古くからある集合無意識的なヴィジョンが表現されており、その世界に郷愁や居心地のよさを感じる。

また、読んでいて、脳の普段使っていない場所を刺激されるような、新世代の娯楽作品が持つ、超次元的な雰囲気を強く感じる。

美しい絵、引き込まれるストーリー、魅力的なキャラを追っていくうちに、この自分の日常的な意識にも、何か新しい変化が生じそうな、娯楽的であり啓発的である漫画。

とてもいいもの読みました!

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