5月20日に文庫版『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』の18版が発行されました。令和初増刷です。
2001年、つまり今から18年前に発行された本ですが、未だに多くの新しい読者に読まれているようです。
昔からの読者の皆さんと、新しい読者の皆さん、全員に大感謝です。
どうもありがとうございます!
特別おまけ 小説版ネガハピ、誕生の歴史
1998~1999年ごろ、滝本は大学の友人、青野くんと「
ボーリング娘。」という日記サイトを立ち上げる。HTML手打ちの古き良き時代の話である。
そのサイトの二回目の日記に、滝本は「
チェーンソー男のこと」というようなタイトルの掌編小説のようなものを書く。その内容はというと、『
突如、新宿駅に現れた謎のチェーンソー男が、チェーンソーによって市民を虐殺するのを僕が見ている』というもの。特にオチはない。
それから一年ほど経って、滝本、『チェーンソー男』というアイデアを活かし、『
ムーンライト・チェーンソー』という、人生初の長編小説を書き上げる。
これは雪崎絵里というヒロインと謎のチェーンソー男の戦いを、山本という主人公が応援する、という出だしの小説である。
だがその後、話は大きく広がり、『
超能力者を狩る悪の組織』や『
組織側の探偵』や『
超能力者をレーダー的に感知する能力を持った病弱薄幸な美少女(組織にその能力を管理され、使われている)』などが登場してくる。
また、チェーンソー男は、雪崎絵里が両親の交通事故の衝撃によって目覚めさせてしまった超能力によって、無意識的に生み出している存在だという驚きの事実が判明する。
しかし、そんな強い超能力を持つ雪崎絵里は、社会の安定を揺るがす危険な存在である。社会の安定を守るため、秘密裏に超能力者狩りをしている組織によって、雪崎絵里は探知され、その特殊部隊によって命を狙われる。
組織を裏切り、病弱薄幸な美少女を抱えて逃げる探偵、そして山本と雪崎に、特殊部隊が迫り来る。
そしてクリスマスの雪の夜に、山本と雪崎は駅前のクリスマスツリー広場の前で、アサルトライフル装備の特殊部隊に完全包囲されてしまう。(このとき、組織側が持つ特殊な超能力によって、広場から一般市民は遠ざけられています)
ど、どうなってしまうのか?山本は雪崎を守れるのか?
と、そんなSFライトノベル的な話の『ムーンライト・チェーンソー』が、改稿に改稿を重ねて本書『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』になっています。
改稿にあたっては日本初の著作権エージェント
ボイルドエッグズの村上達郎氏の的確なアドバイスが大いに参考になりました。ありがとうございました。
また、本書の誕生にはテキストサイト「ボーリング娘。」の存在が欠かすことができません。一緒に「ボーリング娘。」をやってくれた青野くんには大感謝です。ありがとうございました。



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