牧野由依さんのニューアルバム『WILL』が凄い

このページは、小説家としての滝本竜彦の活動についていろいろ書いていくつもりのページです。新作小説等が出版された際の宣伝の場として作っています。 ですが自分の新作を紹介するのはもうちょっと先になりそう。でもせっかく用意したブログだから、何かに活用したい! というわけで、今日は牧野由依さんのニューアルバム『Will』について紹介させていただきたいと思います。 牧野由依さんといえば『NHKにようこそ!』のアニメの中原岬の声優をしてくださった方で、他にも多くの有名キャラの声をされている方です。透明感があり繊細で可愛らしく、それでいて芯がある、独特の魅力のある声で、多くのキャラに生命を吹き込んでいます。アーティスト活動もされており、CDも沢山出しています。私も牧野さんの歌が好きでよくiPhoneで聴いています。 ところで先日、アニメ『NHKにようこそ!』十一周年記念同窓会というイベントがありました。少し緊張しながら新宿の格好いいビルの上の方にある居酒屋に行ったところ、ふと気づくと隣の席に牧野さんがいて、それに気づいた瞬間、頭が真っ白になりました。 なんていうんでしょうか、メディアの向こうにいる人が現実に現れたという、ありえないことが起きている認知的不協和によって、脳がパニックに陥ったようです。びっくりしました。 しかも斜め前には阪口大助さんが座っていることにも気づき、さらに驚いてしばらくフリーズしてしまいました。なんとか「Vガンダムの頃からファンです」とお伝えすることができて良かったです。 佐藤達広役の小泉豊さんは現在、声優業とともに音響監督の仕事もされているそうで、びしっとしたジャケット姿と、仕事に対する情熱が感じられる誠実そうな語り口が素敵でした。『NHKにようこそ!』は声優の皆さんの名演技の宝庫です。 山本裕介監督は今年の夏に放送開始の『ヤマノススメサードシーズン』を製作中とのことで、今からすごく楽しみです。『ヤマノススメ』は可愛い女の子たちが登山して成長していくという物語で、アニメコミックも凄い面白いのでおすすめです。『NHKにようこそ!』の後に観ると、ちょうどバランスが取れていい感じになると思います。私はこのアニメの影響で、昨年、友達の海猫沢めろんさんと佐藤友哉さんと高尾山に登りました。
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スタッフとキャストのみなさん
で、この席で牧野さんとお話させていただいたご縁で、3月21日に発売になったばかりの牧野さんのニューアルバム『WILL』のサンプルを、なんと頂いてしまいました。 さっそく聴いてみたところとんでもなくいいアルバムだったので、感想を書いてみたいと思います。
  • 一曲目 Reset – A Cappella Version-
    • 全編、牧野さんのボイスパーカッションと声で作られている曲。何重にも録音された声によって作られた曲の世界にふわっと包まれることができ、寝る前などに聴くといい夢が見られそうです。アルバムの世界にすっと入っていける曲です。
  • 二曲目 song for you
    • リスナーを応援してくれる曲と歌に、シンプルな力強さが感じられる曲。歌詞がまっすぐ心に入ってくる曲です。ぐっと熱い気持ちになれます。
  • 三曲目 ウィークエンド・ランデヴー
    • 四つ打ちの気持ちいいビートの上におもちゃ箱の中身を広げたような楽しい感じが乗っかった曲。思いっきり日本語の歌詞の曲なんですが、歌も演奏の音として機能としているためか、歌の内容が日常的な意識に引っかかることのない、現代的なダンスミュージックとして気持ちよく聴ける曲です。こういう曲は何回でも聴けそう。抽象的なポップアートを見たときのような、日常的な意味性を超えたアブストラクトな楽しさが感じられます。
  • 四曲目 What A Beautiful World -Studio Live Version-
    • 崇高な光に優しくふわっと包まれ持ち上げられる感覚とともに、人間らしい切実さや可愛らしさが凝縮されたような歌声の表現が心の琴線を揺らす曲。崇高さと人間らしさが一つの曲の中でハーモニーを奏でており、スペクトルの広い感動が得られる曲。ていうか心揺さぶる名曲。これはぜひ多くの人に聴いてほしい曲です。
  • 五曲目 Colors of Happiness
    • 格好いい物語性が感じられるドラマティックな曲。映像的な物語性が感じられる曲でありながら、歌や旋律だけに意識を飲み込まれることのない、曲全体に意識を包まれるような不思議なリスニング体験ができる曲です。現代的というか未来的な手触りを強く感じました。
  • 六曲目 それはきっとボクらしく生きる勇気
    • もっとも人生のリアルなアレコレを強く感じさせる歌詞の曲ですが、歌が透明な水のようにまったく抵抗なく心に入ってきて、あとに一切の淀みを残さず、ピュアな安心感ややる気のみを残していく曲です。
  • 七曲目 ハウリング
    • リズムと楽しさが際立つ曲。未来に向かって楽しさや情熱が波紋のように広がっていくのが感じられます。そういった前向きな雰囲気が、歌詞の意味として入ってくるのではなくて、歌と曲の音を通してスッと無抵抗に心に伝わってきます。
ハイレベルで現代的な楽曲と、魅力と表現力に溢れた歌声の融合によって、聴くごとに心の栄養分がチャージされていくような、それでいて日々の音楽として軽く楽しく気持ちよく聴ける、そんなアルバムとなっていると感じました。これからヘビーローテーションで聴いていきたいと思います。
  • 音楽が好きな人
  • 美しい歌声が聴きたい人
  • 心を高揚させるものを求めている人
  • 「NHKにようこそ!」の岬ちゃんが好きな人
特にこういった方々におすすめのアルバムです。 Will 通常版(Amazon Will 初回限定盤(Amazon)